モザイク、ぼかし処理

テレビなどでも良く見られるモザイクやぼかし処理について紹介します。

モザイク処理

モザイク処理では、画像の正方形の範囲の色を同じ色で塗りつぶします。
この時、同じ色で塗りつぶす正方形の大きさによってモザイク画像の鮮明度が変わります。
正方形が小さければ小さいほど鮮明度が上がります。
下の画像は様々な大きさの正方形でモザイク処理を行った画像の例です。
また、こちらのページの「モザイク」の右のボタンやスライダーを操作することで、様々な大きさの正方形でのモザイク処理を実際に確認することができます。

元の画像 5x5のモザイク 10x10のモザイク 20x20のモザイク
元の画像 5 x 5 のモザイク 10 x 10 のモザイク 20 x 20 のモザイク

モザイク処理を行う時に、どの色で正方形の範囲の色を塗りつぶすかについては様々な方法があります。
最も簡単な方法は正方形の中のどこか(例えば一番左上)の点の色で正方形の範囲を塗りつぶす方法です。
下図に、この方法で 5 x 5 ドットのモザイク処理を行う場合の例を示します。
下図左の画像の一部(小さな黒い正方形で囲まれた部分)を拡大したものが下図右の画像です。
下図右の赤い枠で囲まれた部分が、モザイク処理を行った時に同じ色で塗りつぶす 5 x 5ドットの正方形の一つを表します。
この赤い枠の正方形の中身をこの赤い枠の中の一番左上の青い枠で囲まれた点の色で塗りつぶすことでこの部分をモザイク化します。
この方法は仕組みは非常に簡単ですが、たまたま正方形の左上の点の色がその正方形の中の大部分の色と異なった色になっていた場合(例えば左上の点だけ赤で、残りは全部黒だった場合)、不自然な色で正方形が塗りつぶされてしまう可能性があるという欠点があります。

モザイク処理の例

モザイク処理で良く使われる方法が、正方形の中の点の色の平均を計算し、その色で正方形を塗りつぶすという方法です。
複数の点の色の平均を計算するには、点の色のRとGとBの明るさの平均をそれぞれ計算します。
例えば、下図のようなRGBカラーで表現される 3 x 3 ドットの点(色のついた長方形が一つの点です。長方形の中の文字は、その点のRGBカラーの数値を表します)があった時に、この9つの点の色の平均は以下の式で計算できます。
また、この方法は足し算と割り算だけを使って行うことができます。

3 x 3 のモザイク処理の例

Rの色: (200 + 136 + 83 + 149 + 100 + 45 + 66 + 85 + 110) / 9 = 119
Gの色: (191 + 127 + 75 + 138 + 91 + 37 + 60 + 75 + 98) / 9 = 99
Bの色: (186 + 122 + 72 + 136 + 86 + 34 + 60 + 76 + 98) / 9 = 96
注:計算結果は小数点以下で切り捨てています。

上記のことからわかるように、モザイク処理は画像の複数の点の色を混ぜ合わせるような処理を行います。
絵の具の色を混ぜ合わせた後に、混ぜ合わせた色を元の色に戻すことができないのと同じように、モザイク処理においても混ぜ合わせた色を元に戻すことは不可能です。
雑誌やインターネットなどで、モザイク化された画像や動画を元に戻す装置やソフトが売られていたりすることがありますが、原理的にモザイク化された画像を完全に元に戻すことはできないので騙されないようにして下さい。


ぼかし処理

ぼかし処理では、画像の中のそれぞれの点をぼかします。
点の色をぼかすには、その点の周りの色で点の色を平均化します。
平均化する際に使う周りの点の数を増やせば増やすほど、ぼかしが強くなります。

周りのどの点を平均化するかについては様々な方法があります。
下図に正方形の範囲の点を使ってぼかし処理を行う例を示します。
下図右の青い枠で囲まれた点の色を、赤い正方形の枠内の9つの点の色の平均を求めることでぼかすことができます。
同様に、オレンジ色の正方形の枠内の16つの点の色の平均を求めることでさらに強くぼかすことができます。
このように、ぼかしたい点が中心となるような正方形の範囲の点の色の平均を求めることで点の色をぼかします。
この時、正方形がおおきければ大きいほどぼかしが強くなります。

正方形のぼかし処理の例

下の画像は様々な大きさの正方形でぼかし処理を行った画像の例です。
また、こちらのページの「ぼかし」の右のボタンやスライダーを操作することで、様々な大きさの正方形でのモザイク処理を実際に確認することができます。

元の画像 5x5のぼかし 10x10のぼかし 20x20のぼかし
元の画像 5 x 5 のぼかし 10 x 10 のぼかし 20 x 20 のぼかし

正方形ではなく、下図右の赤い枠(5つの点)やオレンジ色の枠(13個の点)のような形の範囲内の点の色の平均を使ってぼかしを計算する方法もあります。
いずれの方法でも、ぼかし処理は足し算と割り算だけを使って行うことができます。
また、ぼかし処理もモザイク処理と同様に、複数の点の色を混ぜ合わせるような処理を行っているため、原理的にぼかし処理を行った画像を完全に元に戻すことはできません。

その他のぼかし処理の例


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