法政大学市ヶ谷基礎科目

情報処理演習I

担当 重定 如彦

2009528,63

 

7回 電子メール その2

1.      ヘッダ(header)とボディ(body)

電子メールは送信者、宛先、送信日時、件名など、電子メールの転送に使われる「ヘッダ」と呼ばれる部分と、電子メールの内容が記述される「ボディ」(または本文)と呼ばれる2つの部分からなっています。葉書きでいうと、ヘッダが表の郵便番号、宛先、切手、消印などに相当し、ボディが裏の手紙の本文に相当すると言えるでしょう。

ヘッダには宛先や件名のように送信者が書くものや、送信日時などのようにメーラが自動的に記述してくれるもの、配送途中にメールサーバが自動的に記述するものなどがあります。Active! Mailの場合、送信に使うウィンドウの「宛先」、「Cc」、「Bcc」、「件名」の部分が送信者が記述するヘッダの内容で、下の本文の部分がボディです。

受信したメールの内容を表示する部分では、上の四角い枠の中に記述されている内容(件名、送信者、宛先など)がヘッダ部分で、その下の本文がボディです。実はメールのヘッダにはこれら以外にも多くの種類が存在しますが、それらのうちの大部分はユーザにとっては特に必要のない情報です。メーラによってはヘッダの内容をすべて表示するものも存在しますが、Active! Mailの場合ヘッダの中からユーザにとって必要な情報だけを表示するようになっています。

ヘッダの部分にはASCIIコードで表される文字(いわゆる半角文字)で記述するという決まりがあります。最近では、メールの転送時にMIME(マイムと読みます)と呼ばれる方法で全角文字をASCIIコードに変換することで、ヘッダの部分に全角文字を使えるようになっています。しかし、世の中にはヘッダの部分に全角文字が使われていると正しく文字を読めないメーラも存在しますので、送り先の人が何のメーラを使っているかわからない場合(特に外国人にメールを送る場合)は件名などのヘッダの部分には全角文字を使わないようにすることをお勧めします。

実はヘッダもボディも簡単に偽造することが可能です。例えばFromのヘッダに他人の名前を書いて、他人を騙ったメールを出すことは技術的に可能です。さらに具合の悪いことに電子メールの場合内容が電子的なデータで送られてくるので通常の郵便のように筆跡で本人かどうかを判定することはできません。怪しいメールが届けられた場合は、その内容をすぐに鵜呑みにしないで本人に確認をとることをお勧めします。

2.      Active! Mailの使い方その2

Active! Mailの重要な操作方法について解説します(利用ガイド69P〜も参照のこと)。

·           送信先の指定

Active! Mailのメール作成ウィンドウには宛先を指定するために3種類のテキストボックスが用意されています。それぞれ意味が異なるので使い分けをして下さい。

Ø  宛先 (メーラによっては「To」や「送信先」の場合もある)

電子メールの内容を直接転送したい人のメールアドレスを書きます。宛先は必ず一つ以上記述する必要があります。

Ø  Cc (カーボンコピー (carbon copy)の略です)

電子メールの中身とは直接関わりがないが、参考までに電子メールの内容を知っておいて欲しい人のメールアドレスを書きます。カーボンコピーは送信した電子メールを自分で管理したい場合にも使われ、Ccの部分に自分のメールアドレスを記述することで、自分が送ったメールがそのまま自分に送られます。

Ø  Bcc (ブラインド(blind)カーボンコビーと呼びます)

宛先やCcの部分に書いたメールアドレスは受け取られた電子メールのヘッダに記述されているため、受け取った人はその電子メールが自分以外の誰に送られたものであるかを知ることができます。しかし、Bccで書かれたメールアドレスは受け取ったメールのヘッダには記述されません。Bccは電子メール管理のために自分に電子メールを送り返す場合や、複数の人物にお知らせの電子メールを送る場合などに使われます。Bccで電子メールを送ると、電子メールを送られた人はそれが何故自分に届いたのかわからなくなりますので、上記のような限られた場合以外では使わないほうが良いでしょう。

·           宛先に人名などを記述する方法

宛先やCcなどの部分には通常電子メールアドレスを記述しますが、電子メールアドレスだけでは相手がわかりにくいため、メールアドレスと一緒に送信者の名前を書くことができます。その場合、名前と電子メールアドレスを区別するため、電子メールアドレスは<>の中に記述します。例えば宛先の部分には

法政 太郎 <hosei.taro.12@gs-icc.edu.i.hosei.ac.jp>

と書くことができます。Active! Mailでは設定を行うことにより自動的に設定した名前がメールアドレスに付加されるので特にこのような書き方を人間の手で行う必要はありません。名前を設定するには、「オプション」→「プロフィール」をクリックして表示されたページの「名前」の部分に記述します。メーラの種類によってはこの形式でメールアドレスが記述されていた場合、送信者の欄にメールアドレスの部分を省略して、名前の部分のみ表示される場合がありますので注意して下さい。

·           複数の人物へメールを送る方法

電子メールでは、普通の郵便と異なり同じ内容の電子メールを複数の相手に簡単に送ることができます。複数の相手に送る場合は、宛先(又はCcBcc)に複数のメールアドレスを「;」又は「,」(何れも半角です)で区切って記述します。
 また、「全員に返信」ボタンをクリックすることで、そのメールを受け取った全員のメールアドレスが宛先とCcに入力済み(ただしBccで送られた相手を除く)のメール作成ウィンドウが開かれます。

·           メールの転送

受け取ったメールに対して返事を書く場合には、「返信」ボタンで行いますが、受け取ったメールを内容を変更せずにそのまま他の人に送りたい場合は、「転送」と書かれたボタンを押します。すると、件名の部分に「Fw: 受け取ったメールの件名」、本文の部分に転送するメールのヘッダの内容と、受け取ったメールを引用した文章が書かれたウィンドウが表示されます。返送と異なり、宛先は空欄になっているので、送りたい相手のメールアドレスを記入して、本文の最初に自分の名前と転送メールであることを書き足してから送って下さい。

·           住所録

多くのメーラでは、電子メールアドレスを整理するための住所録(アドレス帳と呼ぶ場合もあります)が用意されています。Active! Mailで受け取ったメールの送信者やCcなどのメールアドレスを住所録に登録するには、メールアドレスの部分をクリックして表示されるパネルに必要な事項(ふりがなは必須です)を入力してからOKボタンをクリックします。また、「オプション」→「住所録」で表示されるページから住所録を作成することも可能です。

宛先やCcの部分に住所録からメールアドレスを写したい場合は、住所録ボタンをクリックし、虫眼鏡のボタンをクリックして下さい。住所録に登録されたメールアドレスの一覧が表示されるので、写したいメールアドレスのボタンを選択してOKボタンを押せばメールアドレスを写すことができます。また、宛先やCcの部分に住所録に登録された名前を直接入力してもOKです。
 また、住所録とは関係ありませんが、Active! Mailでは宛先やCcの右にあるアドレスリストのボタンをクリックすると最近使用したメールアドレスの一覧が表示されるのでそこから選ぶこともできます。

·           署名

電子メールの本体の最後には差出人の氏名や連絡先を数行で記述するという習慣があり、これを署名と呼びます。Active! Mailで署名を設定するには、「オプション」→「プロフィール」で表示されるページの「署名」の欄を埋めてください。署名の設定を行うと、メールを作成した際に、本文の最後に自動的に設定した署名の内容が挿入されます。なお、本文と署名の間を空けたい場合は、署名の欄の最初の一行を何も書かない空白の行にしておくとよいでしょう。たまに数十行もの凝りに凝った署名を書く人がいますが、余りに長い署名は相手に不快感を与えるだけでなく、ネットワークや相手のハードディスクを圧迫する可能性があるため、署名は3行〜5程度を目安につくることをお勧めします。ちなみに私の署名は以下のようになっています。

重定 如彦
法政大学国際文化学部
102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1
ボアソナードタワー#2213
+81-3-3264-8760
·           返信アドレス
 送ったメールに対する返信のメールを別のメールアドレスに送ってもらいたい場合は「オプション」→「プロフィール」の「返信アドレス」の欄にメールアドレスを記述して下さい。この設定を行うことにより、メールを受け取った人が返信ボタンをクリックすると、宛先の欄に「返信アドレス」の欄で設定したメールアドレスが入力されるようになります。
·           メールの自動転送
受け取ったメールを自動的に他のメールアドレスに転送したい場合は「オプション」→「メール転送」で設定して下さい。
·           メールボックス
 多くのメーラでは、メールを仕分けるためのメールボックスと呼ばれる機能を持っています。Active! Mailでは左上の(通常は「受信箱」と表示されている)メニューを選ぶことで任意のメールボックスの中身を表示することができます。Active! Mailではあらかじめ以下のようなメールボックスが用意されています。
Ø 送信箱
過去に自分が送信したメールが入ります。
Ø ごみ箱
削除したいメールをここに移動して「ゴミ箱を空に」ボタンをクリックすることでメールを削除することができます。
Ø 迷惑メール
Active! Mailではメールの内容から自動的に迷惑メールを探し出す機能を持っています。この機能を有効にした場合、迷惑メールと判断されたメールはこのメールボックスに自動的に移動します。迷惑メールの機能の設定は「オプション」→「メール振り分け・迷惑メール対策」で行います。なお、この機能は万能ではありません。まちがって大事なメールが迷惑メールと判断される可能性がある点に注意して下さい。
メールボックスの作成は「オプション」→「メールボックス管理」で行えます。また、作成したメールボックスにメールを移動するには、メール一覧の画面で移動したいメールを選択し、「移動先」のメニューから移動したいメールボックスを選んで「移動」ボタンをクリックします。受け取ったメールを自動的にメールボックスに振り分けたい場合は、「オプション」→「メール振り分け・迷惑メール対策」で設定を行ってください。
·           ファイルの添付(てんぷ)
電子メールにはテキスト文章だけでなく、ファイルを一緒に送ることもできます。電子メールで本文と一緒に送るファイルの事を添付ファイルと呼びます。Active! Mailで電子メールにファイルを添付するには、添付ファイルの欄の右の「選択」ボタンをクリックして表示されるパネルの参照ボタンをクリックして下さい。ファイルを選択するパネルが表示されるので添付したいファイルを選択して「開く」ボタンをクリックし、「選択」ボタンを押すとそのファイルが電子メールで一緒に送られるようになります。ファイルを添付すると、添付ファイルの欄の右に添付するファイル名の一覧が表示されるようになります。ファイルの添付をやめたい場合は消したいファイルを選択し、「削除」ボタンをクリックして下さい。
受け取ったメールにファイルが添付されていた場合、メール本文の下に添付ファイルの一覧が表示されます。添付ファイルの中身をみるには、ファイル名の部分をクリックして下さい。ファイルを開くか保存するかを選択するパネルが表示されるので選択してください。
·           添付ファイルを使う際の注意
余りに長いメールを転送すると、ネットワークや相手のハードディスクを圧迫するなどいろんな場所に迷惑がかかります。ファイルを添付する場合、送るファイルのサイズが500Kバイトを超えるようなものはできるだけ送らないようにしてください。
相手から送られてきたメールの中に添付ファイルが含まれていた場合は、不用意に開かないようにして下さい。後で説明しますが、コンピュータウィルスの可能性があります。拡張子が.exeの実行ファイルなどは特に危険です。
·           リッチテキストメール
通常の電子メールでは、本文の文章の文字の大きさを変えたり色を変えたりすることはできませんが、リッチテキストメールと呼ばれるものを使えば送る文章にいろいろな修飾をつけることができます。Active! Mailにはリッチテキストメールを作成する機能はありませんが、表示をすることは可能です。リッチテキストメールを受け取った場合にその内容を正しく表示したい場合は、「HTML表示」というボタンをクリックして下さい。なお、リッチテキストメールはいろいろな修飾の情報を付けるために余分なデータを送る必要があり、電子メールのサイズが不必要に大きくなってしまう事があります。また、相手のメーラによってはリッチテキストメールを正しく表示できないものや、リッチテキストメールを嫌うユーザもいますので、送る相手がリッチテキストメールでも良いと確認が取れている場合だけ使うのが無難でしょう。
·           メーリングリスト
特定のグループ内でメールを使ってやりとりを行う場合は一々全員のメールアドレスを入力するのは大変なので、メーリングリストと呼ばれる特殊なメールアドレスが使われます。メーリングリストは一つのメールアドレスが特定のグループ全員分のメールアドレスを表すもので、そのアドレスにメールを送ることで、グループに参加している全員に電子メールが送られます。メーリングリストの作り方は授業の範囲を超えてしまうのでここでは解説しませんが、用語とその意味は覚えておいて下さい。
·           送ったメールの確認
電子メールそのものには普通の郵便と同様送った後に相手がそれを読んだかどうかをすぐに確認する機能はありません。ただし、メールアドレスを間違えて存在しないメールアドレスにメールを送った場合や、何らかの理由で届かなかった場合は、エラーメールが戻ってきます。エラーメールがしばらくしても戻ってこなかった場合は、(メールアドレスを間違えて別の人に送っていない場合を除き)ほぼ相手に届いたと考えても良いでしょう。
メーラによっては送ったメールを相手が読んだかどうかを確認する「確認メッセージ」と呼ばれる機能を持つ場合があります(Active! Mailにはありません)。なお、確認メッセージがわずらわしいと思う人もいるため、この機能は(特によく知らない相手にメールを送る場合)多用しないほうが無難です。また、この機能は電子メールの機能ではなく、メーラがオプションで用意している機能なので相手の使っているメーラがこの機能に対応していない場合はこの機能を使っても全く無意味です。
·           その他の機能と他のメーラ
Active! Mailには他にも様々な機能を持っています。詳細は「メールホーム」→「オンラインマニュアル」をクリックして表示されるマニュアルや、「?」ボタンをクリックして表示されるメニューを参照して下さい。また、他のメーラを使う場合、Active! Mailと表示の仕方や操作の方法が若干異なっていると思いますが、基本的な機能は同じです。他のメーラを使う場合は、マニュアルやヘルプ機能を参照して下さい。

3.      メールを出す際の注意

 メールを使う際には色々と知っておくべきことがあります。これを知らずに自己流でメールを出すと相手の気分を害したり、ネットワークに余計な負荷をかけてみんなに迷惑をかける可能性がありますので最初のうちは特に注意して下さい。ここでは電子メールを出す時の注意点、代表的なマナーや慣習について書きます。

 

 

·           言葉使い

電子メールも手紙の一種なので、目上の人やよく知らない人に電子メールを送る場合は手紙と同じように送る相手にふさわしい言葉遣いで書いて下さい。ただし、電子メールは簡潔に書くことが推奨されているので、通常の手紙でよく使われる季節のあいさつなどは電子メールではあまり使われないようです。

·           送信前に一度読み直す(本文と宛先の確認)

電子メールは一度転送してしまうとそれを取り消すことは不可能です。電子メールを出す前に一度自分で読み直してみて、誤字脱字がないか、意味が理解できるかどうかなどを確認してから出すことをお勧めします。また、本文だけでなく、宛先やCcの部分のメールアドレスが正しいかどうかも確認し下さい。

·           一行の長さは70文字(全角の場合35文字)以内に

メールは読みやすいように一行の長さが半角の英数字の場合70文字以内、全角の場合は35文字以内で改行するという慣習になっています。それ以上長い行を書いてしまうと、行が折り返されたり、スクロールしないと残りの部分が見えなくなったりする場合があり、非常に読みにくくなってしまう可能性があります。

また、段落と段落の間には空行を入れて見やすくするのが一般的です。なお、空行はぱっとみると空白の大きなスペースを作ってしまうのでかなりの無駄になってしまうと勘違いする方が時々いますが、コンピュータでは、改行記号のたった1バイトのデータで表現できますので空行はデータ的にはほとんど無駄にはなりません。

·           使わないほうが良い文字が存在する

電子メールの本文には使えない文字が存在します。通常の漢字などは問題なく使えるのですが、@のように○のなかに数字が入っている文字やTUようなローマ数字は実は特定の会社が独自に決めた文字ですので、相手の環境によっては読めない可能性があるので使わないようにして下さい。また、半角のカタカナは多くのメーラで表示することができなかったり相手のメーラにトラブルを引き起こしてしまう可能性がありますので使わないようにして下さい。ローマ数字を使いたい場合はアルファベットで代用すると良いでしょう(I、IIなどを半角で書くとそれらしく見えます)

·           引用は最小限にし、誰が書いた文章かをはっきりさせる

相手のメールに対して返信する場合には「>」記号を先頭につけて書くという慣習になっていますが、この引用は必要最小限な範囲で行って下さい。よく相手のメールを署名まで含めて全文引用して、最後に1行だけ自分の返事を書くようなメールを書く人がいますが、不必要な引用はメールが読みにくくなるだけでなく、ネットワークやハードディスクの負担となります。また、引用する場合はその文章を誰が書いたか明らかにするのが礼儀となっています。Active! Mailの場合は、メールに返信すると自動的に--- 名前 ---の部分に引用元の情報が書かれますのでそれをそのまま利用して下さい。

·           顔文字

前回、文章でのやりとりは言葉のニュアンスが伝わりにくく誤解がおきやすいと述べました。これを解決するために、記号で書いた顔の表情がよく使われます。例えば

    笑顔  (^_^)   (^o^)  (  ;-)

 泣顔  (;_;)  (T_T)   ;-<

 謝罪  m(__)m  _o_

などがあります。ただし、これらの顔文字を使ったからといって相手が正しく意図を汲み取ってくれるとは限りませんし、暴言を書いてしまった場合その事実が取り消されるわけでもありません。また、人によっては顔文字をふざけているとして嫌う人もいます。顔文字を濫用すると文章が読みにくくなりますので、顔文字はあまり濫用せず、相手によって適度に使い分けることをお勧めします。

·           よく使われる記号

電子メールでは以下の記号が良く使われます。

文頭に>が書かれた場合、その行は引用された文章であることを表します

引用文の中にさらに他人の引用文がある場合は >> を記述します。

文頭に#が書かれた場合、その行の文章は本文のメインの話題とは異なること(余談など)が書かれていることを表します。

○○ 人名

文中に>が書かれた場合、>の前の文章を>の後の人に伝えたいということを表します。これをリダイレクトと呼びます。

例えば複数の人にメールを出したメールの中で特定の人にだけ呼びかけたい場合などに使われます。

例:    明日7時に電話下さい > 佐藤さん

·           著作権

 他人が書いた文章や他人が作ったファイルには著作権が発生し、勝手に利用することはできないことになっています。他人の書いた文章を必要に応じて引用することは認められていますが、その場合でも必ず誰が書いた文章であるかをはっきりさせ、全体として引用に対して記述した自分の文が主、引用文が従となるようにする必要があります。また、他人が作ったファイルを許可なく勝手に添付ファイルでいろいろな人に送ることも著作権法で禁止されています。他人の作ったファイルを電子メールに添付して送る場合は、そのファイルの作者から許可をとってから送って下さい。

·           メールアドレスはなるべく公開しない

自分の電子メールアドレスをむやみやたらに公開することはあまりおすすめできません。電子メールは普通の郵便と比べるとほとんどタダ同然で送ることができますので、電子メールアドレスを知られてしまうとそのメールアドレスにいたずらのメールなどを送られてしまう可能性があります。また、メールのヘッダ部分は簡単に偽造することができますので、メールアドレスを知られてしまうと他人が勝手にメールアドレスを使ってその人になりすましてメールを送る(もちろんこれは犯罪の一種です)ということが可能になってしまいます。また携帯電話のメールアドレスは簡単に類推することができますので、できるだけメールアドレスを変更することをお勧めします。

4.      電子メールを受けとった際の注意

·           スパム(迷惑)メールは無視する

電子メールを使っていると、頼んでもいないのに知らない人から突然宣伝などのメールが来ることがあります。通常の郵便でも頼んでもいないちらしなどがくることはありますが、電子メールの場合複数の相手に同じ内容のメールを送る事が非常に簡単に行えるのでいろんなところからそのようなメールを受け取る可能性があります。このような迷惑メールのことをスパム(迷惑)メールと呼びます。

メールアドレスを公開した覚えがないのにスパムメールが来る場合があります。そのような場合、自分の個人情報がどこからか漏れているのではないかと心配されるかもしれませんが、大抵の場合、スパムメールを送った人は送った相手の事を良く知りません。相手の事を知らないのに電子メールが届くのは、電子メールの送信費用が非常に安価であることと、メールアドレスが非常に類推しやすいからです。例えばメールアドレスのアカウント名の部分にはユーザの名前がよく付けられるので、メールサーバのドメイン名さえわかってしまえば、そのメールサーバに鈴木さんという人のメールアドレスがあれば、「suzuki@ドメイン名」に電子メールを送ることで実際に鈴木さんが存在するかを知らなくても電子メールが届いてしまいます。また多くの携帯電話のメールアドレスはアカウント名に電話番号を使っているためこちらもアカウント名の部分に適当に数字を並べただけで誰かのメールアドレスを作ることが可能です。

スパムメールを受け取った場合の一番良い対処法は無視することです。お得な情報や、簡単に金儲けをする方法などを謳ったスパムメールはそのほとんどが詐欺情報です。特に金儲けのスパムメールは実際に行ってしまうと犯罪になる場合があります。また怒って抗議のメールを返信するのも逆効果です。例えば、「このメールの情報が必要でなければ以下にメールを送って下さい」という内容に対して返事を送ってしまうとそのメールアドレスが実際に使われている有効なアドレスであることを相手に知らせることになり却って逆効果になってしまう場合があります。

残念ながら現在の電子メールシステムにはスパムメールを完全になくす方法はありません。自分の電子メールアドレスを変更すれば一時的にスパムメールはこなくなるでしょうが、それでスパムメールが二度と来なくなる保障はありませんし、スパムメールが来るたびに電子メールアドレスを変えるのは非常に大変です。スパムメールが来たら無視し、決して返事をしないこと。これは必ず覚えておいて下さい。
 最近では自動的にメールの内容からスパムメールかどうかを判断してくれるメーラが増えてきました(メーラではなく、メールサーバにこの機能を用意してくれるプロバイダもあるようです)。これらを使えばスパムメールを自動的に隔離することができます。繰り返しますが、これらの機能は完璧ではありません。まちがって重要なメールがスパムメールと判断されることがある点に注意して下さい。

·           チェーンメールには返信しない

不幸の手紙をご存知でしょうか?数日以内に同じ文章の手紙を数人に送らなければその手紙を受け取った人が不幸になるという文面がかかれた手紙で、一時期はやったことがありました。残念ながらこれと全く同じことが電子メールの世界でも頻繁におきており、これをチェーンメールと呼びます。チェーンメールもスパムメールの一種ですが、チェーンメールの場合は知人から送られてくる可能性があります。チェーンメールがもし実行されてしまうと、メールの数がねずみ算式にあっというまにふくれあがってしまい、ネットワークがパンクしてしまいます。それだけでなく、チェーンメールを受け取った人は不快な思いをし、人間関係に悪い影響を及ぼしてしまいますので、そのようなメールは受け取っても必ず無視して下さい。

また、最近では不幸の手紙に限らずいろいろなバリエーションのチェーンメールが発生しています。例えば難民に対する募金のお願い、お金儲けの誘い、コンピュータウィルスの情報など様々な手口がありますが、文面に同じ内容の文章を不特定多数の人に送れと書いてあるメールはすべてチェーンメールです。一見すると善意のメールに見えるものもありますが、有益な情報を本当に多くの人に知ってもらいたい場合途中で内容が変わってしまう可能性のある伝言ゲームのようなチェーンメールで送ることは普通ありません。チェーンメールを受け取った場合は絶対に転送しないで下さい。

·           コンピュータウィルス

電子メールを使う際にはコンピュータウィルスに注意する必要があります。コンピュータウィルスはコンピュータの機能を破壊するような悪意のあるプログラムの事で、人間のウィルスと同じように感染したコンピュータに様々な悪影響を及ぼします。最近では電子メールを使ってコンピュータウィルスを相手に送りつけるという手口が広まっており、さまざまな種類のウィルスが今もなお次々と作られています。

コンピュータウィルスが及ぼす影響にはさまざまなものがありますが、例えばコンピュータの中に格納されている個人情報を盗んだり、コンピュータの中のファイルを勝手に消したり、最悪の場合はコンピュータシステムそのものを破壊したりします。

·           添付ファイルによるコンピュータウィルス

メールを使ったコンピュータウィルスには様々な手口がありますが、最も注意しなければならないのが添付ファイルです。メールを使ったコンピュータウィルスの多くは、電子メールの添付ファイルにウィルスの入ったファイルを入れ、そのファイルを不用意に実行してしまうことでコンピュータがウィルスに感染します。

これを防ぐには添付ファイルを不用意に開かないことが一番重要です。メールを使ったコンピュータウィルスの中には、ウィルスに感染したコンピュータがそのコンピュータのユーザになりすまして勝手に他人に(例えばアドレス帳に書かれているメールアドレスの人物全員に)ウィルスメールを送りつけるような悪質なものもあります。この場合ウィルスメールを受け取った人は、知人からウィルスが作成したもっともらしい内容のメールを受け取ることになります。そして、知人から来たメールだから大丈夫だろうと安心してそのメールの添付ファイルを実行してしまうと、ウィルスに感染してしまいます。このようにウィルスメールの手口には巧妙なものが多いので、たとえ親しい友人からのメールであっても送ってくれと頼んだ覚えがない添付ファイルは気軽に開かないようにしてください。

これに対する一番良い対処法は添付ファイルを開けずに無視するというものですが、もしどうしても添付ファイルの中身を見たい場合は、最低限添付ファイルを開ける前にメールを送ってくれた人に確認をとり、後述のウィルススキャンソフトを使ってウィルスが混入されていないことを確認してから開けることをお勧めします。

·           セキュリティホール

 コンピュータソフトは人間が作成するものなのでどうしても欠陥がある場合があります。コンピュータソフトの欠陥の中でもそれを利用するとそのコンピュータで勝手にファイルを実行できるようなものをセキュリティホールと呼びます。メールソフトにセキュリティホールが発見された場合は通常すぐにソフト会社がそれに対処し、パッチと呼ばれる修正ファイルを作成します。このパッチをソフトに適用することをパッチを当てると呼びます。パッチの入手方法はソフトにもよりますが、たいていの場合ソフトを製作した会社のホームページ(ホームページの見方は次の授業で行う予定です)に行けば無償で入手ができるようになっています。パッチを当てずに放っておくとコンピュータがウィルスに感染する可能性が高くなります。

 ウィンドウズの場合、Windows Update(「スタートメニュー」→「すべてのプログラム」→「Windows Update」)を使って簡単にパッチをインターネットから自分のコンピュータに当てることができるので、定期的に利用すると良いでしょう。

·           ウィルスへの対処法

最近ではファイルがウィルスに感染しているかどうかを調べるソフトが売られています。送られてきた添付ファイルをどうしても開きたい場合は最低限それらのウィルススキャンソフトを購入し、そのファイルがウィルスに感染していないことを確認してから開くと感染する可能性を減らすことができます。ただし、ウィルスは日々新しいものが作られており、ウィルススキャンソフトはウィルスの被害が発生してから作られるためどうしても後手にならざるを得ません。ウィルススキャンにひっかからないウィルスも存在しますので注意が必要です。特に古いウィルススキャンソフトは役に立たない場合がありますので、ウィルススキャンソフトはできるだけ新しいものを使って下さい。最近のウィルススキャンソフトは一度購入すると一定の期間中インターネットから無償で最新のバージョンに更新するサービスが用意されています。また、時々ハードディスクのファイルをすべてウィルスチェックソフトで感染していないかチェックしてみることをお勧めします。

昔はコンピュータウィルスが感染しても自分のコンピュータが壊れるだけですんでいたのですが、インターネットが普及してコンピュータがネットワークに繋がるようになった今では、コンピュータウィルスに感染すると、電子メールなどを使って知らないうちに自分のコンピュータを通じてコンピュータウィルスが世界中にばらまかれる危険性がでてきました。場合によっては知らなかったではすまされないことがありますので、コンピュータウィルスにはくれぐれも注意して下さい。

ウィルスに対処するにはウィルスの手口を知ることが一番です。日ごろからコンピュータウィルスの情報に常に目を光らせておくことが最も良いウィルスへの対処法です。ウィルスの情報については様々な書籍が発売されています。また、インターネット上にもさまざまな場所にコンピュータウィルスの情報が書かれているので調べてみると良いでしょう。なお、WWWの使い方については次の授業で解説します。

5.      課題

TAさんに以下の点に注意して電子メールを送って下さい。

·           件名は「情報処理演習I ○月○日 ○限 課題」とし、本文には学生証番号
学年名前を最初の行に記入して下さい。

·           Gドライブの好きな場所にkadai2.txtというファイルを作ってその中にこのプリントの1ページ目の「ヘッダとボディ」の章の1行目から14行目(最初の3つの段落)を入力し、2番目の課題のメールの添付ファイルとして下さい。

·           自分の署名を考えてActive! Mailに設定し、2番目の課題のメールに作成した署名をつけて送ってください。

 

なお、家で課題を行う場合は好きなドライブにファイルを作って下さい。

 

 

 

 

課題のメールは水曜4限の方は黒板に書いたアドレスにお願いします。

課題のメールは木曜5限の方はta090028@mail.edu.i.hosei.ac.jpにお願いします。

質問のメールなどは、 sigesada@hosei.ac.jp までお願いします。

授業の資料の最新版は http://www.edu.i.hosei.ac.jp/~sigesada/ にあります。