法政大学市ヶ谷基礎科目
情報処理演習I
担当 重定 如彦
2004年7月7
第11回 ワードプロセッサ(その2)
前回はワープロを使って文字を入力し、それを様々な方法で修飾する方法について学びましたが、文字だけで書かれた文章は味気ないものです。他人にアピールしたいような文章を書くには文字だけでなく、表や画像を入れると非常に効果的です。ワープロでは文字以外にも表や絵を扱うことができるので、その方法について説明します。
1. 表 (table)
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表の挿入 (ボタン)
ワープロで表を挿入するには、ツールバーの表の挿入ボタンをクリックします。すると、表のサイズ(縦、横の項目数)を指定するためのサブメニューが表示されるので、マウスを移動させて作りたい表のサイズを指定します。この表のサイズは後から変更できるので、具体的に表のサイズがいくつになるかわからない場合はとりあえず少し大きめにつくると良いでしょう。例えば3*5のサイズの表を作ると以下のようになります。表の中の一つ一つの長方形の要素をセル(cell)と呼びます。
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表の移動、サイズの変更、削除
表の左上に表示される正方形の中に上下左右に矢印が表示されたボタンをドラッグすることで、表の位置を移動することができます。また、右下に表示される小さな □ ボタンの上でドラッグすることによって表の全体のサイズを変更することができます。
表を削除するに表の左上のボタンをクリックして表全体を選択状態にしてからメニューの「編集」→「切り取り」を実行して下さい。
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データの入力
表のセルの中にデータを入力するには、入力したいセルをクリックして表の中に文字カーソルを移動させ、キーボードで文字を入力します。セルの中に文字を入力する方法は表の外で文章を入力する場合と全く同じで、文字に修飾を施したり、箇条書きを行うこともできます。文字を入力して、セルの横幅が足りなくなった場合は、自動的に縦方向に表が伸びるようになっています。また、カーソルキーを使ってセルの枠を越えるような移動を行うと、文字カーソルを隣のセルに移動することができます。
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セルの選択
セルを選択するには、選択したいセルの中で、セルの改行マークより左にマウスカーソルを移動させ、カーソルの形が黒い矢印になったところでマウスの選択ボタンをクリックします。選択されたセルは中身の色が反転されて表示されます。また、ドラッグ操作を行うことで、複数のセルを同時に選択することもできます。
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セルのサイズの変更
表のセルの横幅を変更するには、縦枠の上にカーソルを移動させ、カーソルの形が縦棒の両側に矢印が表示された形になった状態でドラッグ操作を行います縦幅の変更も同様です。通常は枠がすべて同時に移動されますが、縦枠に限り、セルを選択状態にしてから枠を移動させるとその選択状態のセルの隣の枠だけが変更されます。
上記以外にも、メニューの「罫線」→「表のプロパティ」を実行して表示されるパネル(後述)を使って高さや幅を設定することができます。
練習問題1:3*5のサイズの表を作成し、セルのサイズを変更して以下のような表を作って下さい。
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セル、行、列の挿入と削除
表を作った後で、表に新しく行や列やセルを挿入したり、削除することができます。セルに新しく行を挿入するには、挿入したい行の隣のセルをクリックし、メニューの「罫線」→「挿入」→「行(上又は下)」を選択します。例えば「行(上)」を選択すると、文字カーソルがあるセルの上に新しい行が挿入されます。列も同様の方法で挿入することができます。セルを挿入するには「罫線」→「挿入」→「セル」を実行し、セルを挿入した後にどのように表の内容をずらすかをパネルで指定します。また、「罫線」→「挿入」→「表」を行うと、表のセルの中に別の表を入れることもできます。
行や列やセルを削除する場合は、削除したい行または、列のセルをクリックして、メニューの「罫線」→「削除」→「行(又は列、又はセル)」を選択します。「セル」を選んだ場合はパネルが表示されるので削除の方法を選択して下さい。
練習問題2:まず、3*5のサイズの表を新しく作成し、次のページの表1のように数字を入力して下さい。次に、行や列の挿入と削除操作を行って次のページの表2と同じ表に変更して下さい。(答え(わからない人だけ見て下さい):4の列を削除、6の行の上に行を挿入、8のセルにセルを挿入し右に伸ばす、を選択すれば良い)
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表1
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表2
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罫線ツールバー
罫線ツールバー(下図)を使うことで、表に対して様々な修飾を行うことができます。以下に、罫線ツールバーの主な使い方について説明します。
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セルの結合と分割 (ボタン)
2つ以上のセルを結合させて一つのセルにすることができます。これをセルの結合と呼びます。セルを結合させるには、結合させたいセルをすべて選択し、ツールバーの「セルの結合」ボタンをクリックします。なお、セルの結合を行うには、結合を行った結果セルの形が長方形になる必要がある点に注意して下さい。
逆に一つのセルを2つ以上に分割することもできます。セルの分割を行うには、分割したいセルをクリックし、ツールバーの「セルの分割」を選択します。パネルが表示されるのでどのように分割したいかを設定して下さい。
なお、セルの分割と削除は次の罫線の描画と削除操作によって行うこともできます。
練習問題3:3*5の表を新しく作成し、セルの結合と分割を行って以下のような表を作成して下さい。
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罫線の描画と削除 (ボタン)
罫線を引くボタンを使って任意の場所に罫線を引くことができます。罫線を引くボタンをクリックすると、罫線を引くモードになりマウスカーソルの形が鉛筆になります。この状態でマウスを表の上でドラッグするとドラッグした位置に罫線が引かれます。このモードを解除するにはもう一度罫線を引くボタンをクリックして下さい。
罫線の削除ボタンをクリックするとマウスカーソルの形が消しゴムの形になります。この状態で削除したい罫線の上でマウスをドラッグするとその罫線を削除することができます。このモードを解除するにはもう一度罫線の削除ボタンをクリックします。
練習問題4:3*5の表を新しく作成し、罫線の描画と削除ボタンを使って練習問題3と同じ表を作成して下さい。(ヒント:セルを分割する際には分割するセルの高さを広げてから行う必要があります)
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罫線の修飾 (ボタン)
罫線の太さや形状や色を変更することができます。左の3つのボタンの▼をクリックすることでそれぞれ罫線の「線の種類」、「太さ」、「色」を設定することができ、以下の2種類の方法でそれらの設定を罫線に反映させることができます。
Ø
右の「外枠」ボタンを使う。外枠ボタンの▼をクリックすると現在文字カーソルが存在するセルのどの罫線を変更するかを指定するサブメニューが表示されるので、その中から選ぶことで指定した罫線の形状を変更することができます。なお、複数のセルを選択状態にし、「格子」と書かれたボタンを選択することで指定したセルの周りの罫線の形状を一度に変更するといった操作も可能です。
Ø
罫線を引くボタンをクリックして罫線を引くモードにし、変更したい罫線の上でクリック(又はドラッグ)するとその罫線の形状が変更されます。
なお、線の種類で「罫線なし」を選んで罫線の表示を消した場合、枠の表示が見えなくなるだけで、セルが結合されたわけではない点に注意して下さい。
練習問題5:3*5の表を新しく作成し、罫線の修飾を行って(セルの結合や罫線の削除操作は行わないこと)以下のような表を作成して下さい。なお、左の太い部分の罫線の太さは「3」です。また、点線の枠の色を赤にして下さい。
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セルの網掛け(背景色のこと) (ボタン)
網掛けの色ボタンをクリックして色を選ぶことで、セルの背景色を変更できます。
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表の挿入ボタン ( ボタン)
表の挿入ボタンをクリックして表示されるサブメニューによって、表、行、列、セルを挿入することができます。また、「文字列の幅にあわせる」などを選択することで表の列の幅をメニューに記述されている方法で設定することができます。
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セルの文字揃え ( ボタン)
セルの中の文章の文字をそろえるには文字揃えボタンを使います。セルの場合、左揃え、中央揃え、右揃えのように左右方向だけでなく上下方向でも揃えることができます。例えば「中央揃え(下)」を選択するとセルの中の文章が左右方向は中央揃え、上下方向は下揃えで揃えられます。
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セルの高さや幅を均等に揃える ( ボタン)
これらのボタンをクリックすると表のセルの高さや幅を均等に揃えることができます。
練習問題6:3*3の表を作成し、セルの文字揃えなどを使って以下のような表を作成して下さい。
両端揃え(上) |
中央揃え(上) |
右揃え(上) |
両端揃え(中央) |
中央揃え |
右揃え(中央) |
両端揃え(下) |
中央揃え(下) |
右揃え(下) |
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表のプロパティ
メニューの「罫線」→「表のプロパティ」を実行することで表の詳細設定を行うパネルを表示することができます。このパネルでは、表の周りの文章をどのように表示するかや、表のそれぞれの行や列の幅を数値で具体的に設定することができます。
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練習問題7
以下の表と全く同じ表を作って下さい。(2004年7月6日現在の順位です)
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勝数 |
負数 |
引分 |
勝率 |
勝差 |
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1 |
中日 |
39 |
29 |
1 |
.574 |
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2 |
阪神 |
36 |
35 |
0 |
.507 |
4.5 |
3 |
巨人 |
38 |
37 |
0 |
.507 |
0.0 |
4 |
ヤクルト |
32 |
34 |
1 |
.485 |
1.5 |
5 |
広島 |
33 |
37 |
0 |
.471 |
1.0 |
6 |
横浜 |
31 |
37 |
2 |
.456 |
1.0 |
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練習問題8
次の表と全く同じものを作って下さい。
所属 |
学部 |
学籍番号 |
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ふりがな |
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印 |
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氏名 |
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種別 1.
教授 2.
助教授・講師 3.
助手 |
4.
職員 5.
大学院生 6.
学生 |
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2.
画像
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クリップアート
ワープロに画像(絵)を挿入するには、まず挿入する為の絵を用意する必要があります。コンピュータには絵を書くための画像エディタというアプリケーションを使います。ウィンドウズにはペイントという画像エディタが標準でインストールされていますが、あまり高度な機能はもっていないので、凝った絵を描こうと思った場合はどうしても市販の画像エディタソフトを購入する必要があります。また、たとえ高機能な画像エディタソフトがあったとしても、絵を描くには絵心とある程度の慣れが必要です。従って、絵を描くのが苦手な人がコンピュータを使ったからといっていきなりきれいな絵をかけるようになるわけではありません。
そこでWordではあらかじめ、文書に挿入する為の絵がいくつか用意されており、それを使うことで自分で絵を用意しなくても簡単に文章に画像を挿入することができるようになっています。このようにワープロの素材として用意された画像のことをクリップアートと呼びます。クリップアートをワープロの文章に挿入するには、メニューの「挿入」→「図」→「クリップアート」を選択します。するとウィンドウの右部分にクリップアートを検索するためのテキストボックスが表示されます。
クリップアートはジャンルごとに分類されており、キーワードを使ってクリップアートを検索することができます。例えば「検索文字列」の部分に「動物」と入力して「検索」ボタンをクリックすると、動物に関係する絵が描かれているクリップアートがその下に一覧で表示されます。表示されたクリップアートをWordの文章に挿入するには、絵の部分をクリックして下さい。また、検索文字列を変更したい場合は「変更」ボタンをクリックします。挿入したクリップアートは、ワードアートと同じ方法で、ドラッグ操作で移動、変形させることができます。
ワープロソフトに最初からついているクリップアートの数はあまり多くありませんが、最新のWordではインターネットからクリップアートを取ってきて、数多くの種類のクリップアートを利用することができるようになっています。また、クリップアートだけを数万種類集めたクリップアート集というソフトが市販されています。利用できるクリップアートの種類に不満を感じた場合購入して使ってみると良いでしょう。
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ファイルから挿入
ファイルに保存された画像を挿入するには、メニューの「挿入」→「図」→「ファイルから」を選択します。挿入したいファイルを選択するためのパネルが表示されるので、画像が入っているファイルを選択して下さい。ファイルから挿入した画像もクリップボードから挿入した画像と同じように移動、変形することができます。なお、Wordは、BMP、GIF、JPEGなど多くの画像形式に対応しています。
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コピーアンドペーストなどで他のウィンドウからコピーする
IEなどの他のウィンドウの画像をコピーアンドペースト操作や、マウスの右ボタンで表示されるメニューでファイルに保存しファイルから挿入するなどの操作でWord文章に貼り付けることができます。ただし、ウェブページなどにある他人が作成した画像には著作権があり、無断で使用すると著作権法違反で罰せられる可能性があるので、使用しても良いと書いてある画像以外は決して無断で使用しないで下さい。
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練習問題9
次のページのWord文章をクリップアートを使ってできるだけ忠実に入力して下さい。
3. 課題と次回の授業
他人に見せることを目的とした用紙のサイズがA4で、1ページ分のWordの文章を作成し、印刷して提出して下さい(添付ファイルで送るのではない点に注意!)。内容は特に指定しませんが、以下の点を必ず守って作成してください。
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文章の中に最低一つは、ワードアートと表と画像(または図形)を使うこと。
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絵や図形以外にも、文章も混ぜること。
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できるだけ見栄えの良いものを作ること。
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締切りは来週の授業までです。
ヒント:内容の例としては飲み会の誘い、サークルの勧誘、何かを調査した結果の発表、架空の新聞の1面、架空のお店の宣伝などなんでもかまいません。
なお、次回の授業は前半で図形の使い方などを説明し、後半はタッチタイピングのテストを行う予定です。
出席、課題のメールは ta04k007@edu.i.hosei.ac.jp までお願いします。
質問のメールなどは、 sigesada@edu.i.hosei.ac.jp までお願いします。
授業の資料の最新版は http://www.edu.i.hosei.ac.jp/~sigesada/ にあります。
米大リーグ、ニューヨークヤンキーズの松井選手は、○月○日の対○○戦で劇的なサヨナラホームランを打った。
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松井選手のインタビュー
9回に逆転されてチームの雰囲気が悪かったので、チームとして負けられないと思って打席に立った。初球に甘いボールが来たので思い切って振りぬいた。久々にホームランを打ったこともうれしいが、チームの勝利に貢献できたことのほうがうれしい。
(注:この記事やインタビューの内容はすべて架空のものです)