法政大学市ヶ谷基礎科目

情報処理演習I

担当 重定 如彦

2003716

 

12回 ワードプロセッサ(その3)

2.      図形

Wordでは表や画像以外にも図形を扱うことができます。図形を挿入するにはメニューの「表示」→「ツールバー」→「図形描画」を選択し以下のツールバーを表示して下さい。

·          図形の入力(その1)
 図形を入力するには、ツールバーの「オートシェイプ」をクリックします。すると様々な図形がサブメニューで表示されるので、その中から挿入したい図形を選択し、挿入したい場所でドラッグ操作を行うという方法で図形を挿入します。
 図形の種類を選択すると描画キャンバスと呼ばれる「描画をここに作成します」と表示された四角い枠で囲まれた領域が表示されます。描画キャンバスは複数の図形を描画することができる図形専用の領域で、描画キャンバス上に描画した複数の図形は一括して移動したりサイズを変更することができます。なお、描画キャンバスの外にも図形を作成することも可能で、その場合は描画キャンバスは削除されます。
 オートシェイプボタンの右にある4つのボタン  を使って図形を描画することも可能です。これらの図形(直線、矢印つき直線、長方形、楕円)はオートシェイプメニューの中にもありますが、特によく描画する図形ということで、図形描画ツールバーにもボタンとして用意されています。

·          図形の入力(その2)
 図形を入力する際にシフトキーを押しながらドラッグ操作を行うと特別な形の図形を入力できます。例えば直線の場合は直線の傾きが特定の傾き以外はとれなくなります。長方形や楕円の場合は必ず正方形や円が作成されるようになります。
 図形を入力する際にドラッグ操作ではなく、クリック操作で入力することも可能です。その場合、その場所に(図形の種類によって定まっている)適当な大きさの図形が入力されます。とりあえず図形を入力し、後から図形のサイズや位置を後で変更する場合はこちらの入力方法を利用すると良いでしょう。

·          図形の入力(その3) (メニューの切り離しと図形の連続入力)
 オートシェイプのサブメニューを表示している時に、メニューの  の部分をドラッグすることで、そのサブメニューを切り離してウィンドウにすることができます。切り離したウィンドウを消すにはウィンドウの終了ボタンをクリックします。
 通常は一つ図形を入力すると、入力モードが図形を選択するモードに切り替わってしまいます。同じ種類の図形を連続して入力したい場合は、その図形のメニューを切り離してウィンドウにし、連続入力したい図形のボタンをダブルクリックして下さい。
連続入力モードを解除するにはもう一度図形のボタンをクリックして下さい。

·          図形の種類
 オートシェイブのメニュー内には様々な図形が用意されています。ほとんどの図形はメニューに描画されている通りの図形が描画されます。ここでは一部の特殊な入力が必要な図形の入力方法について説明します。

Ø        曲線(「線」のサブメニューの左下のボタン)
 曲線を描画するには曲げたいところでクリックします。曲線の描画を終了するには曲線の終点の部分でダブルクリックを行います。曲線の終点を曲線の始点と同じ場所にした場合は、図形が閉じられます(始点と終点がくっつく)。

Ø        フリーフォーム(「線」のサブメニューの下の真ん中のボタン)
 フリーフォームは折れ線と曲線の2種類の線を描画することができます。マウスの左ボタンをドラッグするとマウスの移動した通りの曲線を描画することができます。マウスの左ボタンをリリースした状態でマウスを動かし、マウスをクリックすることで折れ線を描画することができます。フリーフォームの描画を終了するには、線の終わりの部分でマウスをダブルクリックして下さい。

Ø        フリーハンド(「線」のサブメニューの右下のボタン)
 フリーハンドはマウスをドラッグしている間だけマウスの移動した通りの曲線を描画することができ、マウスをリリースすると描画を終了します。

Ø        コネクタ
 コネクタは図形と図形をつなぐ線のことで、コネクタを接続した図形を移動するとコネクタも同時に移動します。コネクタの接続方法については後述します。

·          図形の選択、移動、変形、コピー、削除

 作成した図形を選択するには、図形の線の上でクリックして下さい。また、ウィンドウズの基本操作の時に説明した、シフトキーを押しながらクリックして複数の図形を選択する、ドラッグ操作によって複数の図形を選択するといった操作も可能です。

(注:選択しようとすると他の図形が描画されてしまう場合は、図形描画モードになっている可能性があります。その場合は、図形描画ツールバーのオブジェクトの選択ボタン()をクリックして下さい)

 選択状態の図形は以下のように図形の周りが小さな○や◇で囲まれて表示されます。

選択状態の図形に対して以下の操作を行うことができます。

Ø         図形の移動:  選択中の図形の上でマウスをドラッグします。

Ø         図形の変形:  白い○の上でマウスをドラッグします。

黄色い◇の上でマウスをドラッグすると、図形の中の特定の
部分だけを変形することができます。

Ø         図形の回転:  緑の○の上でマウスをドラッグします。

Ø         図形のコピー: Ctrlキーを押しながら図形をドラッグすると図形をコピーします。

Ø         図形の削除:  Deleteキー又は、メニューの「編集」→「切り取り」を行います。

 シフトキーを押しながら上記の(削除以外の)操作を行った場合、特別な操作(例えば、移動の場合は垂直、水平方向にのみ移動する。変形の場合は図形の縦横の比率を保ったまま変形するetc.)が行われます。また、複数の図形を選択して同時に複数の図形に対して上記の操作を行うことも可能です。

練習問題その1:図形を作成、変形、移動して以下のような図を作成して下さい。

·          コネクタの接続
 コネクタを図形に接続するには、コネクタの端をドラッグして接続したい図形の青い点の上に移動して下さい。コネクタが図形に接続されるとコネクタの端が赤い○で表示されるようになります。接続されていないコネクタの端は緑の○で表示されます。練習問題その2:以下の図形(図1)を作成し、その間をコネクタで接続して下さい(図2)。左右の図形を動かしてコネクタも同時に移動することを確認して下さい。

図1

 

図2

 

·          描画キャンバスの移動、変形、削除
 描画キャンバスの(図形のない部分)上でマウスをクリックすると描画キャンバスを選択することができます。描画キャンバスの枠の太い線の部分をドラッグすることで描画キャンバスを変形、枠の太い線以外の部分をドラッグすると描画キャンバスを移動することができます。また、Deleteキーを押すことで描画キャンバスを削除することができます。描画キャンバスを移動、削除した場合、描画キャンバスの上に描画された図形がすべて同時に移動、削除する点に注意して下さい。

·         
上カーブ リボン: 松井サヨナラホームラン!!

テキストボックス (ボタン)
 テキストボックスは図形の中に文字を入れることができる図形のことです。テキストボックスを作成するには、テキストボックスボタンをクリックして他の図形と同様の方法で作成します。図形を作成すると長方形の中に文字カーソルが点滅するのでキーボードから文字を入力して下さい。
 長方形以外の図形をテキストボックスにすることも可能です。テキストボックス化したい図形を作成し、テキストボックスボタンをクリックしてから、その図形の上でマウスをクリックします。図形の中に文字カーソルが点滅するので文字を入力します。
 テキストボックス内に描画した文字は書式設定ツールバーを使って他の文章と同じように修飾することができます。
練習問題その3: 以下のような図形を作成して下さい。

円形吹き出し: 初球に甘いボールが来たので思い切って振りぬいた。久々にホームランを打ったこともうれしいが、チームの勝利に貢献できたことのほうがうれしい。

·          ワードアートなどの入力ボタン (
 図形描画ツールバーにはワードアートなどを入力する為のボタンが用意されています。左からそれぞれ以下の意味を持ちます。

Ø        ワードアート: メニューの「挿入」→「図」→「ワードアート」と同じ。

Ø        図表または組織図: 組織図など特殊な図表を入力する為のボタンです。授業では詳しくはやりませんが、興味のあるかたは各自試してみて下さい。

Ø        クリップアート: メニューの「挿入」→「図」→「クリップアート」と同じ。

Ø        図の挿入: メニューの「挿入」→「図」→「ファイルから」と同じ。

·          図形の修飾 (ボタン)
図形の枠の色や塗りつぶしの色などを上記のボタンで行うことができます。

Ø         塗りつぶしの色: 多角形の図形の内部の色を設定します。「塗りつぶしなし」を選択すると図形の内部が透明(後ろの図形が透けて見える)になります。また、「塗りつぶし効果」を選択するとグラデーションなどの設定を行うこともできます。

Ø         線の色: 図形の線の色を設定します。「線なし」を選択すると図形の枠の表示を消すことができます。

Ø         フォントの色: 図形がテキストボックスの場合、内部の文字の色を設定します。

Ø         線の種類: 図形の線の太さを設定します。

Ø         実線/点線のスタイル: 図形の線のスタイルを設定します。

Ø         矢印のスタイル: 図形が線の場合、両端に矢印をつけるかどうかを設定します。

Ø         影付きスタイル: 図形に影をつけることができます。

Ø         3−Dスタイル: 図形を3Dで表示することができます。

練習問題その4: 以下の図形を作成して下さい。

ヒント:それぞれ、「直線の太さを3、スタイルを点線(角)、矢印のスタイルを(矢印スタイル9)に設定する」、「星とリボンの爆発1に影をつける」、「長方形を3−D化」、「ハートの枠の太さを3にし、塗りつぶし効果でグラデーションを使用」、

·          図形の調整
 作成した図形に細かい調整を行うには図形を選択状態にして図形描画ツールバーの左の「図形の調整」ボタンをクリックしてメニューから選択して下さい。

Ø        グループ化、グループ解除
 複数の図形を一つまとめて(グループにして)扱うことができます。これを行うにはまとめたい図形をすべて選択してこのメニューを選びます。グループ化された図形はまとめて一つの図形とみなされるようになります。グループ化を解除するには、グループ解除を選択します。
練習問題その5:長方形を3つ作成し、それらをグループ化し、移動、変形操作を行って下さい。その後グループ化を解除してそれぞれを移動、変形して下さい。

Ø        順序
 ウィンドウと同じように、図形にも上下関係の順序があります。順序のサブメニューを使って図形の上下の順序の変更を行うことができます。
練習問題その6:長方形を3つ作成し、以下の左の図のように並べなさい。次に、順序のメニューを使って右の図のようにしなさい。

Ø        グリッド
 図形の作成、移動、変形を行う際には、通常は図形の頂点などの位置を細かく調整することはできません。これは、画面に目に見えないグリッドと呼ばれる格子が存在し、必ず図形の頂点などがその格子の上に位置するように自動的に調整されるからです。グリッドは、図形をきれいに整列させたい場合には非常に便利ですが、図形をドット単位で微調整したい場合には不便です。メニューのグリッドを選択すると、グリッドを調整するためのパネルが表示されます。図形がグリッド影響されないようにするには、パネルの「描画オブジェクトをグリッドに合わせる」をクリックしてチェックをはずして下さい。
練習問題その7: パネルの「描画オブジェクトをグリッドに合わせる」のチェックをはずして図形の描画や変形を行って下さい。

Ø         微調整
 図形の位置を指定した方向に少しずらします。なお、図形を選択してカーソルキーを押して図形をずらすことも可能です。

Ø        配置/整列
 複数の図形を整列(例えば図形の左端を揃えたり、図形を等間隔で並べるetc.)したいときに使用します。
練習問題その8:以下のように適当な大きさの長方形を3つ横に適当な位置に作成して選択し、「配列/整列」→「上揃え」や「配列/整列」→「左右に整列」を行って長方形がどのように整列されるかを確認して下さい。余裕があれば長方形の位置を適当に並べ替え、その他の配置/整列メニューを実行して下さい。

Ø        回転/反転
 図形を回転したり反転することができます。

Ø        テキストの折り返し
 図形を文字の文章の上に移動した際に図形のまわりの文章をどのように表示するかを指定することができます。
練習問題その9:文字を適当に(「あああああ」とかでかまいません)5行ほど入力してから、長方形を一つ作成して入力した文章の上に移動して下さい。次に長方形を選択し、テキストの折り返しのサブメニューをそれぞれ実行し、図形と文章がどのように描画されるかを確認して下さい。

Ø        頂点の編集
 曲線、フリーフォーム、フリーハンドで作成した図形は頂点を編集することができます。図形を選択してこのメニューを選ぶと図形の頂点が小さい■で表示されるのでドラッグして頂点の位置を変更できます。また、辺の頂点のないところでドラッグすることで新しい頂点を作ることもできます。

Ø        オートシェイプの変更
 図形を選択してオートシェイプの変更を行うことで、図形の別の形状の図形に変更することができます。

·          図形の書式設定
 図形をダブルクリックすることで、図形の書式設定のパネルを表示することができます。書式設定のパネルを使うことで、図形に対してさらに高度な修飾を行うことが可能です。このパネルについては授業では詳しくは説明しませんが、興味のある方は各自試してみて下さい。

 

 

3.      タッチタイピングのテスト

それではタッチタイピングのテストを行いますので、以下の手順で行って下さい。

1.         メモ帳を新しく開き、一行目に学生証番号と名前を書き、改行すること。

2.         プリンタの電源をONにする。

3.         問題用紙とプリンタの紙を配るので、プリンタの紙をプリンタにセットし、問題用紙は合図があるまでは用紙を裏返しにしておくこと。

4.         問題用紙に書かれた文章をそのまま入力する。

5.         制限時間は20分です。時間がきたら席の右の人から順にメニューの「ファイル」→「印刷」を行って、入力した内容を印刷すること。TAの方が回収します。

6.         評価は、入力した文章の量と、正確さで行います。誤字や打ち間違いは減点の対象となるので、できるだけ間違わないようにチェックしながら入力して下さい。

7.         合格の目安は、ワープロ検定4級(10分で280文字、間違い8文字以下)です。

8.         時間をすぎても入力するなどの不正行為は大きな減点の対象とします。

3.      課題

先週のプリントに書いたワープロの課題を忘れずに必ず行って下さい。

4.      授業の評価について

 先生が一方的に生徒の評価をするのは不公平なので、生徒のみなさんにもこの授業に関しての評価をお願いします。評価は以下のような方法で行って下さい。

·           提出はメールで行い、タイトルの部分には「情報処理演習 評価」として下さい。

·           内容は授業の評価をABCD(優、良、可、不可の意味)の4段階でお願いします。特に難しく考える必要はないので、感じたままでつけてもらってかまいません。

·           また、授業の良かった点と悪かった点についてできればそれぞれ一つずつ(多い分にはいくら多くてもかまいません)何か書いて下さい。

·           その他感想などありましたら気軽に書いて下さい。

·           なお、この評価のメールの内容をみなさんの成績に反映させることは絶対にありません。たとえDをつけて悪かった点を大量に書いたとしてもそれで成績が悪くなることは絶対にしませんので、思ったとおりのことを気軽に書いて下さい。

·           送っていただいた内容はこれからの授業の参考にする予定です。

·           締切りは7/23までにお願いします

 

質問のメールなどは、sigesada@edu.i.hosei.ac.jpまでお願いします。

授業の資料の最新版はhttp://www.edu.i.hosei.ac.jp/~sigesada/にあります。